ご当地食材で作る新しい「県民丼」

ひきな炒りと即席紅葉漬丼

「ゆるキャラ」をはじめ、地方ならではの風土やグルメに注目が集まる昨今。そんななか、「勝手に考案!ボクらの県民丼」なるものが、にわかに注目を集めています。

47都道府県特有の調理法や食材を使ったオリジナルレシピ

この「県民丼」を発信しているのが、「食」にまつわるストーリーを集めた動画サイト「videlicio.us」(運営:フジテレビ)です。フードサルベージスト(※)の高田大雅さんが、各県特有の調理法や食材を使ったオリジナルレシピを考案。47都道府県から1つを選び、毎週火曜日に作り方の動画を公開しています。

(※)地方に眠る美味しい食材、家庭に眠っている食材をサルベージ(救出)する活動を行うことを表す、高田さんオリジナルの肩書

今年6月からスタートしたこちらの企画は、ネットを中心にじわじわと話題になっています。折しも、「勝手に考案!ボクらの県民丼」のリアルイベントが9月に開催されるとあって、早速会場に足を運んでみました。 会場となるのは、「勝手に考案!ボクらの県民丼」の動画を撮影している都内のスタジオ。 開場前には、フードサルベーシストの高田大雅さんが県民丼の準備に取り掛かっていました。今回のイベントでは、福島・岐阜・新潟・岡山・神奈川・熊本の合計6県分の丼が振る舞われ、実食することができます。この日は、20人近くの参加者が集まりました。

ご当地食材で作る新しい「県民丼」

高田さんを囲んでおしゃべり。とてもアットホームな雰囲気

県民丼を実食する前に、今回登場する6県にまつわる食材について、クイズを実施。
例えば、岐阜名物の「ツケステ」という食べ物。皆さん、ご存知でしょうか?

ご当地食材で作る新しい「県民丼」

左は、「勝手に考案!ボクらの県民丼」の企画・プロデュースを担当する相川知輝さん

正解は、凍った漬け物を温めて食べることに由来した、漬け物のステーキ。寒い冬で凍ってしまう漬け物を美味しく食べるための知恵として、飛騨地方で昔から作られているのだそう。 会場からは、「そんな食べ物があるなんて知らなかったー!」という驚きの声も。その県で生まれ育った人にとっては当たり前の食材も、他県の人にとっては珍しいものです。

神奈川・岐阜・熊本・福島・岡山・新潟の合計6県分の丼

豆知識が増えてきたところで、第1弾の丼、神奈川県の「ねぎまのサンマー丼 酒粕のわさび漬け添え」が完成! 醤油が絡んだまぐろの甘みにネギの辛味がきいており美味。小田原名物「大吟醸酒粕わさび漬け」と一緒に食べると、コクが深まります。

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ご当地麺である「サンマーメン」がアイデアのベース。

第2弾は、岐阜県の「けいちゃん漬けステ丼」。鶏とキャベツを味噌や醤油で炒めた「けいちゃん=鶏ちゃん焼き」は、岐阜県の家庭の味なのだそう。こちらに、白菜の漬け物を混ぜ合わせます。

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漬け物と鶏肉の旨みがマッチ!噛めば噛むほど、美味しさが広がります。

第3弾は、熊本県の「からし蓮根ハンバーグとひともじのぐるぐる丼」

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ハンバーグ風にアレンジした、熊本県名物のからし蓮根に「ひともじのぐるぐる」(?)を乗せていただきます。

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こちらが、「ひともじのぐるぐる」。熊本では「わけぎ」のことを「ひともじ」と呼ぶそう。わけぎの白い部分に、緑色の部分を巻き付けたものです。

残り3県! ですが、そろそろお腹いっぱいかも……。

ご当地食材で作る新しい「県民丼」

県民丼と同じ6県分の地酒も用意されていました。丼との相性抜群!

それでは、気を取り直して、第4弾の福島県「ひきな炒りと即席紅葉漬丼」をご紹介!

ご当地食材で作る新しい「県民丼」

いくら・サーモン・塩麹をあわせた紅葉漬を、ひきな炒りのうえにオン!福島県では、大根とニンジンの千切りのことを「ひきな」と呼んでいます。旨しょっぱい紅葉漬が、シンプルなひきな炒りと絡んで◎

第5弾は、岡山県の「黄ニラとあみ大根の卵とじ丼」。

ご当地食材で作る新しい「県民丼」

特産物の高級食材・黄ニラをメインに、あみ海老と大根をあわせ卵でとじます。黄ニラとあみ海老の甘さが、白ご飯にぴったり。

ラストの第6弾は、新潟県の「かんずりのっぺ丼」。もはや、どんなものかイメージもつかないネーミングです。楽しみ!

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角切りのサトイモや鶏肉と炒めた郷土料理・のっぺに、300年の歴史を持つ名物「とちお油揚げ」と、新潟県で生まれた辛子調味料「かんずり」をあわせます。ピリッとした辛味と油揚げに染みた野菜の旨みが絶品!

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こちらが、「とちお油揚げ」。2cmくらいありそうな分厚さです。

地方の特色ある食文化を残したい

各県に根付く食材を使った県民丼。どれも本当に美味しい! この魅力的なメニューを考案している、高田大雅さんにお話を伺いました。

――そもそも、県民丼が生まれたきっかけとは何だったのでしょうか?

高田大雅さん(以下、高田):「地方の特色ある食文化を残したい」「会話のある食卓を作りたい」というのが、まずテーマにありました。その土地に昔から伝わる伝統料理をアレンジして、新しい料理として紹介することで、改めて県民愛を思い起こしてもらいたいというのが根底にあります。
また、動画を見るだけではなく、実際に作ってもらうことで、より県民トークも盛り上がると思うので、作りやすい“丼”というかたちにしました。
一緒に食卓を囲む人たちが、出身県や関わりの深い県に興味をもってくれたら、会話のきっかけにもなります。料理の枠を超えて“県民丼”を楽しんで欲しいなと思っています。

――県民丼を考案するのは大変ですか?

高田:その県に住む人にとっては当たり前過ぎて、ご当地食材だって気づいてないことが多いんです。そうした食材を掘り起こすのは大変ですね。あとは、その食材をどう組み合わせて、オリジナルの丼を作るかというのが大変であり、やりがいでもあります。

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左から、「勝手に考案!ボクらの県民丼」のプロデューサー・相川知輝さん、フードサルベージストの高田大雅さん、videlicio.usの運営を担当する橋本英明さん

各県の魅力に触れることができる県民丼。食材さえ揃えば、簡単に作ることができそうです。現在(※10月7日時点)、14県分の丼が完成。47都道府県制覇に向けて、これからも開発を続けていくそうです。どんな、県民丼が生まれるのか……今後に期待です!

末吉陽子

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